鉄仮面のゴミ置き場

中の人が思った事を適当に書くブログ

dynabookがぶっ壊れたから応急処置的に直した話

毎回がお久しぶりな鉄仮面です()

さて、今回のネタはというとですね、なんとdynabook AX/53HBLがぶっ壊れました。

そうです、あの昔から使ってたdynabookです。中の人最初のdynabook

  • そもそもどう壊れたの?

とりあえず壊れた経緯でも話してみましょう。

まずこの機種にはオーディオコントロールボタン(タッチキー)が付いています。

これが突然使えなくなりました。

光ってはいるのですが押しても反応しないのです。

この地点で嫌な予感を感じたのでとりあえずHWセットアップを開いてイルミネーションをOFFにしてみました。

するとコントロールボタンのLEDだけ遅れて消灯・点灯するという動きをしました。

正常ならdynabookのロゴLED、タッチパッドLEDと同時に点滅するはずです。

ここでシャットダウンしました。

そこで、嫌な予感は的中。電源を落としてもコントロールボタンのLEDが消えなくなってしまいました。

その時はバッテリーを取り外せばタッチキーの機能は回復しましたが、翌日起動したら完全に壊れてしまいました。

 

この動きで嫌な予感を感じた理由、それは以前同じ動作をする個体を購入していたからです。

少し前に買ってきたベースが同じ機種のdynabook TX/66HJ、これもACアダプタを接続している間ずっとコントロールボタンのLEDが点灯しています。もちろんコントロールボタンも反応しません。

これだけならまだいいのですが、この不具合には致命的な不具合があります。

バッテリーの充電と残量の取得ができなくなってしまうのです。

つまり、コントロールボタンが壊れてしまうとバッテリー駆動もできなくなってしまうのです。(残量がないと言われて強制的に休止状態になってしまう)

  • 筆者が取った行動

バッテリー周りに問題が起きるのは流石にマズいと思い、とりあえずキーボードを外してコントロールボタンのケーブルを抜きました。

これでとりあえずはバッテリーの充電ができるようになります。

TX/66HJの時の経験があったため即座に解決することができました。

当然ですが、LEDは点灯しなくなります。

  • なんでバッテリー残量が取得できなくなるの?

最初からこの問題を抱えていたTX/66HJを買った時からこの問題に悩まされていました。

AX/53HBLが壊れてからふと「回路図を見れば何かヒントが得られるのでは?」と思いました。

そこでマザーボードの型番である「KTKAA LA-4571P」で検索、回路図のPDFを入手しました。

コントロールボタンが接続されていたコネクタ「JCS」の情報を見てみます。

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中の人は回路図はよくわからない人間なのですが、とりあえず1番と2番が5Vの電源、4番がグラウンド、5番と6番がSMBusの信号線(データとクロック)であることはなんとなく分かりました。

タッチキーを押すとLEDが押している間消灯するのですが、その処理はサブ基板側で行っているようです。

とりあえずEC_SMB_ESB_DAがどこに繋がっているのか調べてみました。

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どうやらここのようですが、これだけでは私にはよく分かりませんでした。

そこで、コントロールボタン基板を指している「FUN/B」で検索を掛けてみました。

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するとEC SM Bus1に接続されていると出てきました。

この2つ上に「Smart Battery」の文字があります。

Smart Batteryとはノートパソコンの駆動用バッテリーのことです。それを管理するシステムをSmart Battery System(SBS)と言ったりもします。

  • とりあえず信号線を塞いでみる

ここで私は思ったんです。

「コントロールボタンの基板が異常発熱してたし、信号線がショートしていることで同じSM Busに接続されているバッテリーまで巻き込まれているのでは?」

と。

仮に信号線がショートしているのであれば信号は通らないと思いますし、LEDが常に点灯しているのはサブ基板に通電している間は光っていて、消灯させる時はマザーボード側から信号を送っていると予想しました。

なので、コントロールボタンのケーブルの信号線のみをカプトンテープで絶縁すればLEDを光らせたままバッテリーの充電が可能になるのでは?と思ったのです。

なので、試しにTX/66HJの方を分解してSM Busに接続されている信号線をカプトンテープで絶縁してみることにしました。

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ピンアサインに関しては回路図に情報がありましたし、基板側にも1番ピンに▲マークが刻印れていたので塞ぐピンはすぐに分かりました。

一番右が1番ピンなので、左2つが5番と6番のはずです。

この2つをカプトンテープで絶縁してみました。

この状態でACアダプタを接続。とりあえずコントロールボタンのLEDは光りました。

そのままWindowsを起動…来ました!バッテリー残量が正常に取得できています!

そして放置しているうちに充電完了!バッテリー駆動も問題なし!バッテリーに関しては正常に動作するようになりました。

ただ、この方法は基板上のショートを根本的に解決したわけではないので、基板の異常発熱は直りません。

そして当然ですが信号線を封鎖してしまったのでタッチキーとしての機能も回復しません。

ただACアダプタ(正確には基板内部の5V)と連動してLEDが光るだけです。

  • 問題は残っていた

しかし問題はすぐ起きました。この状態で放置してたら普段は電源オフでも1週間は持つバッテリーが一晩で0%になっていたのです。

基板上のショートを根本的に解決したわけではないので当然といえば当然ですね。

使っていてショートモードで故障する部品といえば真っ先にコンデンサが思い浮かんだので、TX/66HJのタッチキー基板を剥がして確認してみることにしました。

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剥がした基板がこちら。この状態で接続してみたんですが再生ボタンが触れないほど熱くなっていて軽く火傷しました。

  • この問題を根本的に解決する

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裏側を見てみます。再生ボタンの近くにC1というコンデンサがあります。

そこで私は思いました。「火傷の原因は再生ボタンではなくこのコンデンサがショートして異常に電流が流れていたのではないか?」と。

試しにテスターを当ててみたところ数Ωしか抵抗値がありませんでした。正常なコンデンサであればこんなに抵抗値が低い事はありません。AX/53HBLの同じ基板の別の場所のコンデンサはkΩかMΩ単位(記憶が曖昧)の抵抗値がありました。

これはいかんと思い、試しにこのコンデンサを外してみました。

すると最初の起動時はなんと正常に動作しました。しかし2回目からはよく分からない動きをするようになりました。

しかし、Smart Battery Systemは正常に動作しているようで、残量取得・充電もできています。

なのでこの基板上のコンデンサの短絡が悪さをしていることがわかりました。

QFP-ICの左にあるC3の抵抗値を測ってみたところ9Ωだったので、これも外してみました。

しかし、正常に動きません。反応はしないが、イルミネーションON/OFF操作に遅れて反応するという動作をします。

ですが、この動きには見覚えがありました。そうです、AX/53HBLが壊れる直前の挙動です。

あの時はバッテリーを外すと動くようになったので同じようにしてみました。

すると正常に動作するようになりました。何度やっても完璧に動きます。

という訳で、この問題はコンデンサのショートが原因で、ショートしたコンデンサを外すことで正常な動作を取り戻せることがわかりました。

なのでAX/53HBLも開けてみたところ、同じ場所(C1)のコンデンサがショートいていました。C3は先ほど言った通り正常な抵抗値でした。

こちらもC1を外したところ正常な動作を取り戻しました。

ちなみに、私は面倒なのであまり良くはないですが新しいコンデンサは付けていません。

恐らくこのコンデンサはバイパスコンデンサだと思うので、もしかしたらどこかでノイズが増えている可能性もあります。

まあ、自分のPCなのでそれっぽく動けばヨシ!ですが皆さんが試すときは新しいコンデンサをちゃんとつけましょう()

  • 余談

この後ヤフオクを見ていたら、同じパターンで故障していると思われるTX/66Hを見つけてしまいました。(ACアダプタが接続された状態で電源LEDは消えていて、コントロールボタンLEDは点灯している状態の写真が載っていた)

もしかして壊れやすいんですかね、これ…